鳥取県民自慢の牛乳 白バラ牛乳

東京に住むグルメな友人から、こんなメールが来たことがある。

「成城石井で買った、白バラ牛乳のコーヒー牛乳がおいしすぎる!よく見たら鳥取のものじゃん!ほかの商品も美味しいの?」

私は驚きました。長らく東京に住んではいましたが、白バラ牛乳のことは、当時全く知らなかったし、もちろん飲んだこともなかったから。そして鳥取に住む私がまだ飲んだことのないコーヒー牛乳を、東京に住む友人は、この時好んでよく飲んでいました。そして、成城石井といえば、厳選された美味しいものたちが並ぶお店、そこに白バラのコーヒー牛乳が並んでいる・・・

これが東京でも美味しいと評判の白バラコーヒー。パッケージもレトロで可愛い。

この話を、大山乳業農業協同組合の企画室の福井さんに話すと、福井さんはこう教えてくれました。

「実は、うちの白バラコーヒーは関東での市場開拓を模索していた時期に、当時の営業担当が成城石井さんへ持ち込み、その味と品質の高さから導入を決定していただいたんですよ。」

でも、鳥取から東京まで牛乳を運ぶって珍しいですよね、物流の観点から言っても、鳥取から東京へってのはなかなかないと思うんですが

「そうなんです。私たちの物流は関西圏までしかありません。そこからは成城石井さんが独自のルートで輸送されるんですよ。」

ええ!私は驚きました。そこまでして、あの成城石井が仕入れたくなる「白バラのコーヒー牛乳」の美味しさの秘密はなんなのか、気になります。

「まず私たちは、鳥取県唯一の酪農専門農協です。つまり、県内の美味しい生乳がすべて集まってくるのです。」

 

琴浦東インター近くにある大山乳業農業組合。ここに県内の美味しい牛乳がすべて集まる。

白バラ牛乳を生産、販売するのは「大山乳業農業協同組合」。この大山乳業農業協同組合は全国でも、大変めずらしい、県内すべての酪農家が1組織となった酪農専門農協です。自らが生産した生乳を、自分たちで処理をし、そして製品化し、販売まで手がけます。

専門的な話になりますが、これも私たちが自信を持っているのが、大山乳業の工場には検査室があり、乳質を検査しています。体細胞数の数値にも独自の基準があります。この体細胞というのは、白血球や体内から剥がれ落ちた細胞で、乳牛が体調を崩したり、ストレスを感じることで増加します。この数が多いと渋みや塩味といった余分な味が、乳に出てしまうんです。言い換えれば、乳牛の体調をしっかりと管理し、体細胞数を低く維持することで、白バラ牛乳のコクや甘み、風味などを守っているんです。おそらくここまで厳しく管理している組合は私たちぐらいじゃないでしょうか・・・自信を持って管理しています。」

この体細胞数の管理だけではなく、大山乳業では酪農指導部という獣医を中心とした独自の部門を設け、酪農家たちのさまざまなことをサポートしているそう。

また最近、TVやSNSなどでも話題の白バラ牛乳グッズも気になるところ。

「実はですね・・・この商品たちは最初は売るつもりはなかったんです」と話す福井さん。私は驚きました。どういうことですか?と尋ねると、笑いながらこう教えてくれました。

楽しそうに、グッズの説明をしてくださる福井さん。今後の展開も、とても楽しみ。

「大山乳業組合の設立70周年の式典のノベルティとして、お越しいただいた方々に配るために作ったんですよ。その式典が11月だったので、お正月に使ってもらえたらなぁという思いで、ポチ袋にしてみたら…大好評で。」そこから、あれよあれよと、マスキングテープからスマフォケース、Tシャツなどに展開されていき、今や乳製品と並ぶ大人気商品になったそう。

設立当時から70年と少し。ずっと変わらない、この白バラ牛乳の味と、パッケージのデザイン。今や鳥取の人たちだけではなく、全国の人に愛される白バラ牛乳。美味しさへのこだわりは、ずっと変わらないまま、そしてたくさんの人を魅了する新たな展開が楽しみでなりません。

大山乳業農業協同組合  直営店

大山まきばみるくの里

鳥取県西伯郡伯耆町小林水無原2−11

0859-52-3698

10:00〜17:00

不定期休業、冬季休業