造り手の思いと大山の恵みが堪能できるビールを味わいにビアホフ ガンバリウスへ!

クラフトビールブームの影響もあり、山陰や中国地方のみならず日本全国にファンを持つ「大山Gビール」。工場の横に建つレストラン「ビアホフ ガンバリウス」は鮮度抜群の出来たてビールはもちろん、ビールにぴったりなフードが楽しめる大山エリア屈指のグルメスポットです。今年はオープン20年の節目の年にあたりますが、創業時からビールを造る工場長、岩田秀樹さんに大山の魅力について伺いました。

「ビールで季節を表現する」というテーマ。

「水の良さに尽きますね」。

醸造家にとっての大山の魅力を岩田さんに聞くと、そんな答えが返ってきました。

「水には恵まれています。大山の雪解け水が長い年月をかけて自然にろ過されたもので仕込んだビールを、この大山の麓で飲んで欲しいと思います。水にストーリーがあるかないか?はとても重要なことですし、ロケーションも味わいの一つですから。“あのとき、ガンバリウスであの人と、あんなことを話したな…”と将来うちのビールを飲むたびに思い出しますよね?それって、ビールを楽しむ上での財産だと思うんです」。お酒は情緒的な飲み物だからこそ、ストーリーや記憶が大事なのだそうです。

醸造所兼レストランから車で5分ほどの場所で育てている小麦。収穫前の麦畑でお話を聞きました。

松江出身の岩田さんは島根大学で微生物を研究後、新卒で今の会社に入りました。「実は松江の酒蔵に勤めようとしていたのですが、“大山でビールを造り始めるらしい”と耳にして応募することにしました。日本酒よりもビールの方が好きだったので」。以来20年間、美味しい一杯を醸し続ける岩田さん。少し前から「ビールで季節を表現する」というテーマを掲げています。その心を問うと…。

「こちらには“ダイセンゴールド”という地元独自の大麦があります。大麦は10月の終わりに蒔いて、5~6月に収穫。夏にビールができます。また、酒米を副原料に使った“八郷”は秋の収穫後の冬から春に、ホップを使った“ヴァイエンホップ”は秋に完成します。自分たち自身で原料を作ることで素材を知るとともに、季節感のあるビールを提供したいと思っています」。

 

収穫前のダイセンゴールド。この時点ではまだ青いのですが収穫の頃になるともっと大きく、色も金色に変わるのだそうです。

春と秋の風物詩、千円飲み放題も魅力。

 

大山ゴールドや八郷、ヴァイエンホップといった季節限定のビールは、出来上がるとすぐにガンバリウスでも提供されます。「今は一体どんな限定ビールがあるのだろう?」、それを楽しみに訪問するのも楽しいかもしれません。もちろん、年間を通じて飲むことができる定番スタイルも。WBA(ワールドビアアワード)という権威ある大会で世界一に輝いたヴァイツェン、すっきり喉ごし爽快なピルスナー、柑橘系のホップの香りが心地よいペールエール、モルト由来の甘みと香ばしさが魅力のスタウト。この4種は各100mlの「Gビールセット」があるので、少しずつ楽しみたい方にはおすすめです。

 

少しずつ全種類を楽しみたい!という人のために用意されている「Gビールセット」は750円(税別)とリーズナブル。

 

また、ガンバリウスの代名詞にもなっているのが、全国的にも珍しい千円飲み放題。春と秋の年2回、定番4種に加えて限定数種の樽生が千円で時間制限なしの飲み放題になります。このときは標高300メートルの山あいにあるガンバリウスも非常に込み合うので、早めの予約が必要です。

 

 

目指すのは優しい味。テーマカラーは白。

 

ガンバリウスで色も味わいも違うビールを飲んでいて不思議に感じるのは、ビアスタイルが全く違うにもかかわらず必ず大山Gビールらしさがあること。この点について工場長の岩田さんに伺うと…。

「僕はどのスタイルを造るときでも、バランスが取れていてまろやかなビールを目指しています。“優しい味”というのでしょうか。色で例えると、絶対に白なんです。幼い頃から訪れていた僕にとって、大山のイメージって白なんですよね」。そう言われてみると、大山Gビールは極端で飲み飽きるものがなく、混じりけのない無垢なイメージで貫かれていることに気付かされます。

ガンバリウス店内には巨大なドイツの国旗が。ジャーマンスタイルを基本に、様々なスタイルのビールを造っています。

 

そんな岩田さん、いつかはオール大山産のビールを造ってみたいのだとか。「水はもちろん、モルトもホップも副原料の米も既に育てているので、あとは大山で採れた酵母だけですね。これからもビールと向き合い続けて、今よりもっと自分のイメージ通りのビールが造れるようにしたいと思っています」。

 

 

国内では1994年の規制緩和から始まった小規模醸造ビールの歴史。当初は地酒にあやかって「地ビール」と呼ばれながら、2000年代中頃からは「クラフトビール」と呼称されるようになりました。大山Gビールは醸造家のこだわりや思い入れに満ちた「クラフトビール」の側面と同時に、その場所ならではの味わいやストーリーをビール造りに活かす「地ビール」の部分もしっかり持っていると感じます。皆さんもぜひ一度、ガンバリウスに足を運んで造り手の思いと大山の恵みを実感しながら極上の一杯をお楽しみください。

ビアホフ ガンバリウス(直営店)

〒689-4108 鳥取県西伯郡伯耆町丸山1740−30

0859-39-8033

平日営業 11:00-14:30 17:30-22:00(冬季 21:00閉店)

土日祝営業 11:00-22:00(冬季 21:00閉店)

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